案外知られていない信用組合のいろは

信用組合の現状と未来

信用組合の現状は、大きく分けると2つの方向性があると思います。まずは地域においてより多くの取引企業を増やそうという方向性です。信用組合は基本的に営業地域の中小企業が組合員となって、出資金を集めて運営されている金融機関ですが、景気の悪影響を受けると、中小企業からの出資も難しくなり、信用組合そのものの存続にも影響を及ぼすのです。

そこで、信用組合では営業エリア内の個人顧客の獲得に力を入れ始めています。組合員になるための条件を緩和したり、出資金の条件を緩和するなどして、多くの地域住民が組合員となれるようにし、自己資本ともいえる「出資金」を少しでも多く集めようとしているのです。これが2つ目の方向性となります。

積極策を講じるためにと、営業エリアを拡大することを検討している信用組合もあります。営業エリアなどを拡大しようとすれば、信用組合から別の形態の金融機関にチェンジしなくてはなりません。実際に信用組合から信用金庫へのチェンジはよくある話で、信用金庫へと規模を拡大した結果、より広域な営業エリアで金融業務を行えるようになり、利益を上げやすくなったパターンもあります。

信用組合を支えている中小企業が、今後の経済情勢でどうなるかはまだわかりません。それを見越して、中小企業の投資ありきで経営を行わないよう、さまざまな面で利益を上げるための方策を検討している、それが現在の信用組合の現状です。現に経営改革を行った結果資産を増やし、信用金庫を買収するだけの力をつけた信用組合もありますから、今後そのような現象が起こるのも当たり前になるかもしれません。